在宅で療養する難病患者や障害のある方、そしてその家族を支える制度として注目されているのが「在宅レスパイト」です。利用を考えるときに気になるのが、「どんな施設で利用できるのか」「病院とショートステイはどう違うのか」といった点ではないでしょうか。この記事では、在宅レスパイトで利用できる施設の種類と特徴をわかりやすく整理し、比較してご紹介します。

在宅レスパイトで利用できる施設の種類
在宅レスパイトを利用できる施設は、大きく分けて次の3種類があります。
- 医療機関(病院)での短期入院
- 福祉施設でのショートステイ
- 医療的ケアに対応できる専門施設
それぞれの特徴を順番に見ていきましょう。
① 医療機関(病院)での短期入院
特徴
- 医師や看護師が常駐しているため、高度な医療的ケアが必要な方も安心
- 点滴、吸引、人工呼吸器の管理など医療処置が可能
- 突発的な体調変化にも対応できる
利用が向いているケース
- ALSなど進行性難病で医療ケアが多い方
- 在宅で人工呼吸器や経管栄養を使用している方
- 家族が急な体調不良で長めのレスパイトが必要な場合
メリット・デメリット
- メリット:医療面の安心度が高い
- デメリット:病院によっては空床が少なく、利用調整に時間がかかる場合あり
② 福祉施設でのショートステイ
特徴
- 障害者支援施設や介護施設での短期入所サービス
- 食事、入浴、排泄など日常生活の支援が中心
- 医療処置は最小限(施設によって対応可否が異なる)
利用が向いているケース
- 重度の医療ケアは必要ないが、日常生活で介助が必要な方
- 家族の休養や冠婚葬祭、出張などで数日間預けたい場合
メリット・デメリット
- メリット:比較的利用しやすく、費用負担が軽い場合もある
- デメリット:医療的ケアへの対応は限定的
③ 医療的ケア対応型の専門施設
特徴
- 医療と福祉の中間に位置する施設
- 看護師や専門スタッフが常駐し、日常生活支援+医療的ケアの両方を提供
- 医療的ケア児や医療依存度の高い方にも対応可能
利用が向いているケース
- 医療的ケアが必要な子ども(医療的ケア児)
- 退院後の生活に不安がある難病患者
- 家族が安心して外出・休養したい場合
メリット・デメリット
- メリット:医療と生活支援の両方が受けられる
- デメリット:施設数が少なく、利用調整に時間がかかることも
施設を選ぶときのチェックポイント
在宅レスパイトの施設を選ぶときは、以下の点を確認すると安心です。
- 医療的ケアに対応できるか(吸引、経管栄養、人工呼吸器など)
- 受け入れ可能な日数や期間(1泊〜数週間まで施設により異なる)
- 利用費用(医療保険・障害福祉サービスで軽減されるケースあり)
- 緊急時の受け入れ体制(急な体調不良や家族の事情に対応できるか)
まとめ
在宅レスパイトを利用できる施設は大きく分けて「病院」「福祉施設」「医療的ケア対応施設」の3種類です。
- 病院は医療依存度が高い方に安心
- ショートステイ施設は日常生活支援が中心で利用しやすい
- 医療的ケア対応施設は医療と生活の両立が可能
どの施設を選ぶかは、患者さんの病状やケアの内容、家族の希望によって変わります。
「自分たちの場合はどの施設が合うのか分からない」という方は、まず主治医や市町村の福祉窓口に相談し、受け入れ可能な施設を確認することから始めましょう。
詳しくはこちら
宮城県公式サイト:在宅レスパイト事業
採用情報はこちら
https://hitoreha.com/recruit/
第1回記事 : 宮城県の「在宅レスパイト」とは? 〜在宅療養を支える家族へのサポート〜
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第2回記事 : 在宅レスパイトとは?宮城県で利用できる制度の基本と背景
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第3回記事 : 宮城在宅レスパイトの利用方法を徹底解説!申込みから利用までの流れ
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第4回記事 : 宮城在宅レスパイトの対象者は誰?難病患者・障害者・医療的ケア児の利用条件
https://universal-sitter.com/zaitaku-respait4/