「先生のお話を聞きましょう」と言われても、すぐに周りのものに気を取られてしまう。「いま何の話をしていたっけ?」と途中で分からなくなってしまう。そんな姿を見ると、保護者としては「小学校で大丈夫かな」と不安になりますよね。
園では楽しく活動できていても、“集団で話を聞く”という場面になると途端に集中が切れてしまう。実はこれは、発達特性のある子どもによく見られる特徴です。けれども、「話を聞けるようになる」ための練習は、ただ「座って静かにする」だけではありません。
お子さんの特性を理解しながら、少しずつ“聞く準備ができる力”を育てることが大切なのです。

「聞けない」のではなく、「聞くための条件が整っていない」
発達特性のある子どもが「話を聞けない」と感じるとき、実際には「聞き取りづらい」「情報が多すぎて整理できない」「興味の焦点がずれている」など、“環境的・認知的な要因”が大きく関係しています。たとえば、
- 音に敏感で、周りの物音が気になってしまう
- 聴覚情報の処理に時間がかかり、話の途中で置いていかれる
- 興味のあるものが目に入ると、注意がそちらへ向いてしまう
つまり、「聞けない」ではなく、「聞けるような環境が整っていない」のです。就学準備の段階では、まずこの前提を理解することが何より大切です。
家庭でできる「聞く力」を育てる3つの工夫
① 「短く・具体的に伝える」練習を
「ちゃんと聞いてね」「よく見てね」という抽象的な声かけではなく、
「いまから3つ話すね」「終わったら〇〇しようね」と見通しを持てる伝え方が効果的です。また、「ひとつだけ聞こう」「3秒聞こう」など、短時間から始めて成功体験を積むことで、徐々に“聞く体力”が育っていきます。
② 「視覚情報」で補助してあげる
言葉だけで説明されると混乱しやすい子どもには、見て分かるサポートが有効です。
- 絵カードで「次はこれをするよ」と示す
- 話の要点をイラストや写真で伝える
- スケジュールボードを使って流れを見せる
こうした“見える化”が、聞く理解をぐっと助けてくれます。
③ 「聞けたね」をたくさん認める
「最後まで聞けたね」「途中で質問できたね」と、できた部分を言葉でほめることが「聞くこと」への自信を育てます。叱るよりも「聞けた経験」を積み重ねるほうが、はるかに効果的。“聞くこと=楽しい”という感覚がついてくると、学校生活の中でも大きな力になります。
「話を聞く」は、“集中力”だけではない
「話を聞けるようにする」=「集中力をつける」だと思われがちですが、
実際にはそれだけではありません。発達特性のある子どもの場合、
- 聴覚過敏によるストレス
- ワーキングメモリの弱さ(聞いたことを一時的に保持する力)
- 興味の偏りや注意の分散
など、脳の特性そのものが「聞く力」に影響します。
だからこそ、焦らず、「環境」と「関わり方」を調整しながら、
子どもが安心して耳を向けられる経験を増やしていくことが大切なのです。
ユニバーサルシッターで“聞く経験”を積み重ねる
就学前に「聞く練習」を家庭で続けるのは、親にとっても根気が必要です。
そこで活用したいのが、ユニバーサルシッターです。
ユニバーサルシッターでは、発達特性や個性を理解したシッターが、お子さんのペースに合わせて“聞く力を育てる関わり”を行っています。たとえば、
- 遊びや会話の中で、短い指示を少しずつ理解する練習
- 絵カードやスケジュールを使って、見通しを立てながら聞く経験をサポート
- 一対一の落ち着いた環境で、集中しやすい「聞ける空間」を整える
家庭での取り組みと連携しながら、お子さんの「聞けた!」を積み重ねていくことができます。
「聞けるようになる」より、「聞ける場面を増やす」支援を
大切なのは、「話を聞ける子」にすることではありません。
「聞ける場面が増えるように環境を整える」ことです。
学校では、先生の話を聞く時間が増える一方で、家庭ではその練習を自然に行うことが難しいもの。
だからこそ、ユニバーサルシッターのような専門的サポートを活用し、
お子さんが安心して“聞く練習”を積める時間を確保していきましょう。
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