絵本の読み聞かせの時間、他の子が静かに座って先生の話を聞いている中で、ひとりだけ立ち上がって部屋の隅を歩き回る子がいます。
「まだ小さいから仕方ないのかな…」、「でも、小学校に入ったらどうなるんだろう」
保育士さんや保護者の方の中には、そんな不安を感じた経験がある方も多いのではないでしょうか。
発達特性のある子どもは、音や視覚刺激に敏感だったり、興味が移りやすかったりして、“集団の中で集中する”ことに難しさを感じやすい傾向があります。しかし、適切な環境づくりと関わり方によって、少しずつ集中力を育てることは可能です。

集団で集中できないのは「怠けている」わけではない
まず理解しておきたいのは、「集中できない=我慢が足りない」ではない、ということです。発達特性のある子どもは、
- 注意の切り替えが苦手(1つの刺激に過剰に反応してしまう)
- 音や光などの刺激に敏感で、気が散りやすい
- 集団の中で何に注目すればいいかが分かりづらい
などの特徴を持つことがあります。
そのため、「集中する力を伸ばす」ためには、“本人のせいにする”のではなく、“集中しやすい環境”を整えることがスタートになります。
就学前からできる!集中を育てる3つのステップ
① 集中できる“時間”を短く設定する
いきなり「10分座っていよう」は難しいもの。まずは1〜2分の短い集中体験から始めましょう。例えば、
- 絵本を1ページ読んで一緒に感想を言う
- 積み木を5個積んだら「できたね!」と声をかける
- 「このお話の中で好きな絵を探そう」など短いミッションを与える
成功体験を積むことで「集中する=楽しい」と感じられるようになります。
② 興味のある活動から集中を引き出す
発達特性のある子にとって、“好き”や“得意”は最大の集中スイッチ。ブロック遊び・お絵描き・車遊びなど、お子さんが夢中になれる活動から始め、徐々に「先生の話を聞く」などの集団活動にステップアップしていきます。「好きなことに集中できる力」は、やがて「他の場面でも集中できる力」へとつながります。
③ 集団の中でも“安心できる環境”をつくる
発達特性のある子は、周囲のざわめきや視覚刺激に影響を受けやすいため、
集団活動では“落ち着ける位置・環境”を意識してあげることも大切です。
- 座る位置を先生の近くや壁際などにする
- 周囲の刺激を減らすために、机上をシンプルに整える
- 「この時間が終わったら○○しよう」と見通しを伝える
このように、環境を“整える”ことで、集中力を支える土台ができます。
「集中力」は才能ではなく、経験で育つ
発達特性のある子どもにとって、“集中できる場面を積み重ねること”こそが最大の練習になります。一人ひとりの発達のペースに合わせて、
少しずつ時間を延ばしながら、「できた」「わかった」という成功体験を増やしていくことが大切です。焦らず、環境と関わりを調整しながら「集中の芽」を育てていきましょう。
ユニバーサルシッターで「集中力を育てる時間」をサポート
「家庭ではなかなか集中練習の時間が取れない」
「園や家庭以外の安心できる環境で、落ち着いて過ごす練習をしたい」
そんな方におすすめなのが、ユニバーサルシッターです。
ユニバーサルシッターでは、発達特性を理解した専門スタッフが、
お子さん一人ひとりの興味・集中のパターンを見極めながら、
楽しい遊びを通して集中力や自己コントロール力を伸ばすサポートを行っています。具体的には、
- 絵本や制作を通じて「集中できる時間」を少しずつ延ばす
- 「終わりの見通し」を伝えながら切り替え力も育てる
- 静かな環境の中で、自分のペースを大切にできる体験を提供
一対一の丁寧な関わりの中で、お子さん自身が「落ち着いて取り組む」感覚を少しずつつかむことができます。
「集中できたね」が、自信の第一歩
就学準備で大切なのは、「長く座っていること」ではなく、
“自分で意識して集中できた”という経験を積むことです。
「できた」「聞けた」「最後までやれた」、その小さな成功が、学校生活での大きな自信につながります。ご家庭のサポートに加えて、ユニバーサルシッターのような専門的な支援を取り入れながら、お子さんの「集中力の芽」を丁寧に育てていきましょう。
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