家族が「休む」ための支援は、一つではありません
医療的ケア児や重症心身障害児を在宅で介護する家族を支える制度には在宅レスパイトだけでなく、【ショートステイ】や【居宅介護(ホームヘルプ)】【重度訪問介護】【日中一時支援】【医療型短期入所】など、さまざまなサービスがあります。
各支援の目的や利用できるシーンがそれぞれで違ってくるため”どれか一つを利用できれば十分”というものではないのです。家族の生活や子どもの状態に合わせて、いくつかの制度を組み合わせることも必要です。その中で介護を無理なく続けられる環境を整えていくことが大切です。

ショートステイ・医療型短期入所との組み合わせ
ショートステイや医療型短期入所は、利用する子どもが施設や医療機関に宿泊しながら必要な支援や医療的ケアを受けることができる制度です。
保護者の冠婚葬祭時や入院が必要な時。体調不良などで長時間の介護が難しい場合や、まとまった休養を確保したい場合にとても大きな支援となります。
しかし、利用したい宿泊先の空き状況や利用日程の調整が必要になることもあります。さらに、宿泊をするという環境の変化によって不安を感じてしまうお子さまもいます。
このことから、日常的な数時間の休息は在宅レスパイトを利用し、長時間の休養が必要なときはショートステイや医療型短期入所を使うといったように、それぞれの特徴を生かして利用するとより継続的な休息を確保しやすくなります。

居宅介護・重度訪問介護との組み合わせ
居宅介護(ホームヘルプ)は自宅にヘルパーさんが訪問してくれます。入浴や食事、排せつなど日常生活の支援を行うサービスになります。そして重度訪問介護は、重度の障害がある方に対して生活全般における支援を長時間の中で行う制度です。
日常生活を送るうえでサポートや支援は欠かせないサービスではあります。しかしこれらのサポート制度は「保護者が安心して休息すること」をメインの目的としているのではなく、あくまで利用者の生活支援のためにということが目的になります。
一方で在宅レスパイトは、看護師などの専門職が医療的ケアを家族に代わって行うことで、保護者が安心して休息や外出をすること。通院などの時間を確保できることを目的としています。そのため、生活支援を行う居宅介護や重度訪問介護と組み合わせることにより、家族全体の負担をより効果的に軽減できるのです。

日中一時支援との組み合わせ
日中一時支援とは、日帰りで施設を利用し日中の見守りや活動の場を提供するサービスです。保護者が仕事や用事を済ませたり、短時間の休息を取ったりする際に利用されることが多いサービスになります。これは、利用する子ども本人にとっても社会参加や他者との交流によってよい刺激となります。さまざまな場と人とでつながりを作るきっかけにもなります。このサービスにプラスして在宅レスパイトを利用するのであれば「外で活動する日」と「自宅でゆっくり過ごす日」を組み合わせることになります。こういった環境の変化は、家族全員の気分転換にもなります。何に対しても言えることですが、介護においても”生活のメリハリ”をつけることで全員にゆとりが生まれるのではないでしょうか。

在宅レスパイトだからこそ担える役割
上記したように、それぞれの支援や制度にはいろんな特徴で異なる役割がたくさん存在します。その中でも、在宅レスパイトの大きな特徴として「いつもの自宅で、いつもの生活を続けながら、家族が安心して休息できること」です。
子どもは住み慣れた環境で過ごしながら専門職による医療的ケアを受けることができ、保護者は買い物や通院、兄弟姉妹との時間、あるいは十分な睡眠など自分自身の時間を安心して確保することができます。
介護を続けていくためには「限界になるまで頑張る」のではなく、日頃から無理なく休息を取り入れることが大切です。そのために在宅レスパイトは他の支援と組み合わせて使うという選択肢があります。ショートステイや居宅介護、重度訪問介護、日中一時支援、医療型短期入所など各家庭の利用したい目的と組み合わせることで、安心して在宅での介護生活を続けていくことができます。
介護は決して一人で抱え込むものではありません。さまざまな支援や制度を上手く活用し、それぞれの長所を活かしながら組み合わせることで、お子さまと家族の生活の質(QOL)を守ることにもつながります。

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